先日、我孫子武丸の「殺戮にいたる病」を再読しました。読んだのはもう10年以上は前。真相を知っている状態で読んでも、やっぱりすごい一冊だなと感じました。読後にものすごいインパクトを残す力強さがある一冊ですね。ベタなんですけど、「記憶を消してもう一度読みたいなって思う本ってなんだろ」って思ったので、ちょっとここで紹介しようかなと思います。
「殺戮にいたる病」 我孫子武丸
最初にも書いた通りですね。何を書いてもネタバレになる感じがするので、どう書けばこの本の凄さが伝わるのかちょっと分らないんですけど、読んだ後に呆然とするっていうのかな。正直最初は「えっ!?」って思いました。でもよくよく考えると、真相が巧妙に隠されているんなというのが分りました。今回大分時間をあけて再読しましたが、真相を知って読むと、確かに何かおや?と思う箇所があったりしました。人間、以外とそういう所を見ていないもんです。ただこの本、気をつけないといけないのは結構内容的にえぐい描写が多いんですね。そういうのがダメな方にはそもそも読むのが厳しいかもしれません。
「十角館の殺人」綾辻行人
これもまた良い意味で騙された一冊でした。映像化不可と言われた作品だったのに、配信サービスで映像化されると聞いたときは驚きました。この十角館を含め、「館シリーズ」が大好きで、昔はPSのゲームまでやりました。さすがに難しいとは思うんですけど、アレ、リメイクされませんかね…。これもやっぱりヘタなこと書くとネタバレになる系ですね。
「姑獲鳥の夏」京極夏彦
前の二冊は「騙された-!」みたいな感じの読後感なんですが、これはちょっと毛色が違いますね。何ヶ月も妊娠し続ける妊婦とか、失踪事件とか、一見関係のない雑学とか、そんなもろもろがだんだんと結末に向かって収束していき、最後に本当に姑獲鳥が立ち現れるような感覚を覚える所に、なんともゾクゾクするような感覚を覚えます。事件の真相としては「なんだそれは」って感じの内容ではあるんですけど、とにかく味わったことのないような不思議な感覚がある作品だなと思っています。難しくて内容があやふやになるので、定期的に再読しています。
どの一冊も、読んだ人に大きな衝撃を与える一冊だったなと思います。こういう物語を頭の中で考えて、一冊の本にできるって、やっぱり作家はすごいなぁ。


